子供がうつ病になってしまったら、叱ることだけは絶対にやめましょう。成績が落ちたり学校に行きたがらない子供をきつく叱ることで、その気持ちを引き締めようと思ってしまうかもしれません。
確かに愛情をもってきつく叱ることが必要なこともあります。でも、その今の状況の原因がうつ病にある場合は話は別です。今やれることをやるところからまずは始めることが重要です。
その際には小さな事であってもできたことをひとつひとつ認める、という態度を徹底しましょう。これは、その積み重ねがうつ病克服のカギとなる自信を取り戻すきっかけになることもあるためです。
元気だったときの姿を思い浮かべ焦る気持ちはわかりますが、親はどんと構えて安心させてあげてください。
また、可能であればうつ病の原因をさぐりそのものを取り除くことも重要な取り組みです。明確な原因がわからないときにはまずは親子関係を見つめなおすところから始めてみるのが良いでしょう。
うつ病は誰もが罹る可能性を持つ、特別な病気ではありませんが一度罹ってしまうとその60パーセントが再発のリスクを持つとも言われる厄介な病気でもあります。
特に症状のひとつに、ありもしない妄想で自分の心を追い詰めるというのがあります。
これは三代妄想と呼ばれるもので、ひとつは罪責に関わることです。自分は悪いことをしたからいずれ警察が追いかけて来る、などといったことを言い出します。
ふたつめは心気妄想と呼ばれるもので、「最近食欲が落ちているのは重い病気になったせいだ」などといったものです。
最後は貧困妄想というお金に関わることです。特に経済状態が悪いという訳でもないのに、貯金が無いから入院費が払えなくなるなどと言って、通院するのを拒んだり治療をするのを嫌がるなど出費に対して異常なほど拒否反応を示します。
家族の中でこういった症状がみられるようになったら、早めに適切な治療を受けさせることを是非おすすめします。
うつ病は抗うつ剤等の治療薬によって必ず良くなる病気なのですから、然るべき医療機関で明確な診断を仰ぐようにしましょう。